顕微授精と精子の運動 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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顕微授精と精子の運動

 

Q:
不妊治療歴4年の妻35歳、夫42歳です。夫の精液状態(精子の運動)が思わしくないため顕微授精を勧められました。どのような基準で顕微授精の適応が決まるのでしょうか。

A:
体外に取り出した卵子に精子を振りかけて自然に受精するのを待つ体外受精と違って、顕微授精は顕微鏡下で卵子に1つの精子を直接注入し受精させます。一般的に重度の精子運動率低下や重度の精子減少症などの男性不妊ほか、人工授精・体外受精で妊娠に至らなかった方に行います。

WHOの基準では、自然妊娠には精液1ml中の精子数が2,000万以上、人工授精は同200万以上、体外受精20万以上、顕微授精では2万以上必要で、なおかつ前進運動精子率50%以上が必要条件になります。

顕微授精では重度の精子運動率低下症でも良好な前進運動精子が1つでも見つかれば良いのですが、そもそも重度の男性不妊では精子の質が悪い場合が多いのが難しいところです。また、無精子症に対しては精細管や睾丸から直接精子を吸引採取する方法があります。

閉塞性無精子症の方は精子が精巣内にプールされている場合が多く良好な精子が採取できる可能性は高いです。非閉塞性無精子症は睾丸で精子が生産されていない場合があり良好な精子を得るのは困難です。

男性不妊では精子の運動率のほかにも染色体異常などの問題もあるため、本当に良好な精子かどうか精子精密形態検査を受けてから顕微授精に臨まれるとよいでしょう。

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