子宮内膜の薄さと黄体機能 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

*

子宮内膜の薄さと黄体機能

 

Q:
不妊歴5年の妻35歳、夫40歳で、タイミング法から人工授精、体外受精に進みましたが、いつも子宮内膜が薄いため着床に至らず、黄体機能不全か低下症と言われました。原因と治療を教えてください。

A:
黄体機能は受精卵の着床に備え子宮の準備を整える機能で、基礎体温の高温期が黄体期に当たります。その仕組みは、排卵後、卵子を放出した卵胞が黄体という組織に変化し、主に黄体ホルモンを分泌して子宮内膜を厚くします。

また着床期には女性ホルモンを分泌し、黄体ホルモンと共同で内膜の成長を促し胚(受精卵)を育てるための栄養を分泌します(分泌期)。

正常な黄体機能は分泌期の子宮内膜の厚さが12~20mmで、日々良好に着床準備を整えます。そして黄体ホルモン値10以上、女性ホルモン値100以上が理想です。内膜が薄くても最低8mmあればホルモン分泌が正常なら妊娠は可能です。

ホルモン値が低い場合は各ホルモンを注射や内服、皮膚パッチ、皮膚スプレー、膣座薬などで補充し、黄体機能の改善を図ります。

ただし、「子宮内膜組織診」で子宮内膜増殖症があった場合は一筋縄ではいきません。増殖症には「単純性」「複雑性」「異形成」があり、いずれも女性ホルモンの過多により重症化するため黄体ホルモンの多量投与が必要です。

複雑性ではまず着床できないと言われ、異形成は子宮体がんを発症する心配があるので不妊治療を離れ婦人科的精査と治療が必要です。並行して不妊治療できるのは単純性内膜増殖症のみです。

なお、当院ホームページ内には過去の不妊学級で使用した資料(スライド)を閲覧できるページがございます。こちらに子宮内膜増殖症に関する資料もご用意してございますので、参考までにご一読頂ければ幸いです。詳しくは「不妊学級資料ダウンロード」のページをご覧ください。

 - 不妊治療Q&A , , ,

インターネット予約はこちらから