新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンは妊娠中や不妊治療に影響はありますか?② | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンは妊娠中や不妊治療に影響はありますか?②

 

妊娠中の新型コロナウイルスワクチン接種における追加情報をお伝えします。

COVID-19ワクチンの臨床試験では、妊娠中の人々は試験から除外され参加者は妊娠を避けるように求められましたが、それにもかかわらず、英国でこれまでに承認された3つのワクチンの試験全体で53人の妊娠が発覚しました。

ワクチン接種群と対照群の偶発的妊娠率に有意差はありませんでした。ワクチンがヒトの妊娠を妨げないことを示しています。

流産率はグループ間で同等であり、妊娠初期に対するワクチン接種の悪影響がないことを示しています。

ワクチン ワクチン接種群 対照群
参加人数 妊娠 流産(率) 参加人数 妊娠 流産(率)
ファイザー 18860 11 0(0%) 18846 12 1(8%)
モデルナ 15181 6 0(0%) 15170 7 1(14%)
アストラゼネカ 5807 12 2(17%) 5829 9 3(33%)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7927763/改変

 

限られた数によるデータですが、英国、欧州連合、および米国では、利益が潜在的なリスクを上回る場合、妊娠中の人々にワクチンを提供することを推奨しています。

米国では、2021年2月10日までに、20,000人の妊娠中の人々がCOVID-19ワクチンを接種し、これらのワクチン接種者は現段階(2021年2月10日時点)では有害事象が起きていないことを報告しています。

https://www.whitehouse.gov/briefing-room/press-briefings/2021/02/10/press-briefing-by-white-house-covid-19-response-team-and-public-health-officials-3/

日本人、ワクチンに慎重 接種熱望19%、世界調査|全国のニュース|北國新聞

現在ワクチン接種者の広範なモニタリングに加えて、ワクチンを接種した妊婦とその胎児の影響を追跡した研究が進行中です

COVID-19の妊娠中の患者は集中治療を必要とする可能性が高く、医師が赤ちゃんを早期に出産することを選択する可能性が高く、赤ちゃんもNICUに入院する可能性が高くなります。予防接種によってこれらのリスクが軽減される可能性があるため、妊娠中の患者に予防接種を優先することを検討する必要があります。

 

また、妊娠中に母親がワクチンを接種し、その後出生した新生児の臍帯血よりSARS-CoV-2IgG抗体(新型コロナウイルスに対する抗体)が検出された事例が症例報告されています。

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.02.03.21250579v1

これは胎盤を介して抗体が移行し、新生児・乳児の新型コロナウイルス感染を予防できる可能性も示唆しています。

 

これらの情報より、主に米国では妊娠中のCOVID-19に関連するリスクの増加を考えると、多くの妊娠中の人々がワクチンを受け入れることを決定しました。

今後さらに蓄積される情報次第ですが、現段階では、妊娠した場合は重症化リスクの方がワクチン接種による未知のリスクよりも高いと考えられ、妊娠前はもちろん、妊娠後でも新型コロナウイルス感染のリスクがある状況下(医療従事者等)はワクチン接種を考慮しても良いと考えられます。

 

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