2025年の当院の治療成績の公開 (2026.2.3更新)
当院では、「できるだけ少ない負担で、確かな妊娠・出産につなげること」を大切にし、お一人おひとりに合わせた治療設計を行っています。
今回の治療成績からも、年齢や卵巣の状態、これまでの治療歴が異なる中であっても、適切な刺激法と丁寧な治療計画により、安定した成果が得られていることが確認されました。
このグラフは、2025年に当院で採卵を行った患者さんの年齢構成を示しています。
30代前半から40代前半の方が中心で、幅広い年齢層の方が治療を受けられていることが分かります。
このグラフは、1回の採卵で得られた卵子数を示しています。
平均値だけでなく中央値も併せて示しているのが特徴です。平均と中央値が大きく乖離していないことから、一部の方だけが突出して多いのではなく、多くの患者さんで安定した採卵数が得られていることが分かります。
このグラフは、採卵後に妊娠につながりやすい良好な胚盤胞が、平均でいくつ得られているかを示しています。年齢層や患者背景が異なる中でも、複数の良好胚盤胞が得られていることは、刺激法の調整、培養環境の工夫、胚の丁寧な評価といった、治療の積み重ねによる結果と考えています。 「次につながる胚」を大切にする治療を行っています。
このグラフは、1回の胚移植で妊娠に至った割合を、全国データと当院データで比較したものです。妊娠の定義は超音波検査で子宮内に胎嚢を認めた症例としています。
年齢別に見ても、当院の妊娠率は全国平均と同等、あるいはそれ以上の水準を維持しています。
特に初回胚移植において良好な結果が得られている点は、胚の選択や移植時期の判断を慎重に行っていることが反映されていると考えています。全国データは日本産科婦人科学会が公表している最新版のARTデータブックを用いています。
このグラフは、妊娠成立後の流産率を示しています。
年齢が上がるにつれて流産率が高くなる傾向は、全国的にも知られている事実です。その中で当院のデータは、全国データと比較して低い水準を示しており、胚の質の評価や妊娠初期の管理を丁寧に行っている結果と考えています。妊娠後も、出産までを見据えた管理を重視しています。
このグラフは、妊娠率と流産率の両方を踏まえた、「最終的に出産につながる可能性」を示しています。年齢層ごとに差はありますが、いずれの年齢層でも全国データを上回る、もしくは同等の水準が維持されています。
このグラフは、1回の採卵から複数回の移植を行った場合の、累積的な妊娠率を示しています。特に34歳以下・35〜39歳では、全国データよりも高い累積妊娠率が得られており、「1回の採卵を将来まで有効に活かす治療」が実現できていることが分かります。比較に用いているJISART(日本生殖補助医療標準化機関)は、品質が高く国内トップクラスの実績を誇る不妊治療のクリニックとして認めらている施設団体です。
このグラフは、妊娠に至るまでに平均して何回の採卵・移植が必要だったかを示しています。年齢とともに回数は増える傾向にありますが、ほとんど1-2回の採卵、1-3回の胚移植で妊娠に至っていることが分かります。
このほか、当院では2024年の出生データから、実際にかかるコストの期待値と出生率を加味した費用対効果分析を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。
総評
当院では単に「妊娠率」だけを見るのではなく、累積妊娠・出産までを見据えた治療戦略を重視しています。一度の採卵を将来まで活かし、次の第二子、第三子の妊娠計画も視野に入れた治療を行うことで、身体的・経済的な負担を抑えながら、長期的に満足度の高い医療を目指しています。
これらの成績は、画一的な治療ではなく、医学的根拠に基づいた個別化治療と、日々の診療で積み重ねてきた経験の結果であると考えています。
今後も当院は、最新の知見とデータを活かしながら、「患者様それぞれのゴールに寄り添う生殖医療」を提供し続けてまいります。治療についてご不安な点やご希望がありましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。










