体外受精の限界 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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体外受精の限界

 

Q:
妻36歳、夫37歳、不妊歴5年です。これまで体外受精と顕微授精を計10回実施しましたが、妊娠に至りません。体外受精の限界は何回ぐらいでしょうか。

 

A:
体外受精(IVF)の限界は回数で判断できません。その内容が問題となります。まず、排卵誘発剤を多量に使用しても

  • 卵子ができない
  • 卵胞はたくさんできるのに中身に卵子が含まれていない
  • 卵子の質が悪い場合

以上の場合、成功はありません。また、成熟した良好な卵子でも精子が不良だと顕微授精しても未受精だったり、受精卵(胚)が発達せず子宮内膜が過形成や増殖症を伴う場合は良好な成長胚を子宮内に戻しても着床不良または着床不全となります。

女性はその時々の精神・肉体的疲労によるホルモン変動で排卵誘発剤が合わないなど卵子が形成されないことがあります。現在、排卵誘発剤は7種類ありますが、どの誘発剤が合うかを見極めるのは医師の手腕によるところです。43歳以上の高齢になると脳下垂体から分泌されるFSHが高値になり卵胞ができにくくなります。そのため種々の医療的工夫が必要ですが、すべてに効果がないとIVFは限界となります。

男性の精子では、精子頭部の穴によりDNA断裂精子がほとんどであれば健康な赤ちゃんの誕生は厳しいでしょう。精子の穴は先天性のため現在治療法はなく、こちらもIVFは限界です。

もう一点、子宮内膜過形成は着床の確率が低くて流産率が高く、子宮内膜増殖症に発展すると着床はほぼできません。過形成は治療できますが、増殖症では決定的な方法はまだありません。従ってまずはご自分の体の状態を見極め、原因を探ることが大切です。

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