フーナーテストと抗精子抗体2 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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フーナーテストと抗精子抗体2

 

Q:
妻36歳、夫38歳です。どの不妊検査も問題なく自然妊娠可能と言われたのにその後6年間妊娠に至りません。次の病院では抗精子抗体があるからと体外受精を勧められました。今までフーナーテストは良好だったのになぜ抗精子抗体が陽性なのですか。

A:
まず、フーナーテストは性交後に精子が子宮内にどれだけ上昇しているかを推定する検査で、抗精子抗体の有無は確定できません。次に、抗精子抗体は女性の体液(血液、分泌液、粘液)に存在する精子に対する抗体です。

強度な抗体の場合、子宮内に進入した精子はすべて死滅するか進入できないこともありますが、中等度以下の抗体だと精子が運動を続けられることもあるため、あなたの場合フーナーテストは良好と判断されてしまったのかもしれません。

残念ながら決定的な治療法はなく、中等度以下なら体外受精、強度なら顕微授精が必要です。膣内に直接射精すると抗体はより強力になるので性交はコンドーム着用で。ステロイドや漢方など投薬治療の効果は不確定です。一時的に抗体が陰性になることもあり、たまたまその時期に妊娠する人もいますが、すぐ陽性に戻ります。

また、抗精子抗体は多くのタイプがあり、ある一定の精子だけ(例えば夫)に反応する抗体もあります。パートナーとの相性は当院でも実施している「夫精子・妻血清クロスマッチテスト」で分かります。この検査で陽性の場合は体外受精適用となりますが、100組に1組程度と多い症例ではありません。

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