抗精子抗体(治療) | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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抗精子抗体(治療)

 

Q:
不妊歴5年の妻38歳、夫36歳です。タイミング指導を経て人工授精を13回行い、次に体外受精に進むため転院した先で抗精子抗体検査を受けたところ陽性でした。人工授精を多数行うと抗体が出現し、抗体の強度が増すと体外受精も難しくなるといわれました。抗体に対する治療法はあるのでしょうか。

A:
抗精子抗体(精子結合抗体)は精子の受精能力や運動能力を阻害し妊娠を妨げる精子に対する抗体です。体の免疫は異物(精子)に対して必ず最初は抗体ができ、その抗体は異物を有害でないと判断すると自然消滅します。

しかし、体質によっては抗体を保持したり、人工授精のように多量の精子を頻繁に体内に入れたことで抗体の強度が増すことがあります。軽度~中等度の抗体なら精子を女性の体内に触れさせないことで自然消滅することもありますが、何年かかるか分かりません。

治療法として当院では抗体陽性の患者さんに漢方薬の「白朮柴苓湯(びゃくじゅつさいれいとう)」とサプリメントの「葉酸イソフラボン」を処方し、日常の性生活にコンドーム着用を義務付けたところ15%の方が半年、33%の方が1年で治癒しました。

しかし、その80%は抗体の強度が軽く、中等度で治癒した方は20%、強度では0%でした。さらに治癒した方の抗体付着部位は精子の尾部や頸部ばかりで、精子頭部に付着する抗体は治癒しませんでした。

現時点で確たる治療法はなく、過去に陰性でも陽性になることもあるので、なかなか妊娠しない場合は1年に1回は検査したほうがよいでしょう。

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