着床障害をきたす黄体機能不全の治療(2) | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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着床障害をきたす黄体機能不全の治療(2)

 

Q:
妻35歳、夫40歳。不妊歴4年で、体外受精を3回行いましたが妊娠に至りません。主治医からは子宮内膜が薄く、黄体ホルモンが十分に上昇しないといわれ、体外受精の黄体期管理で連日黄体ホルモン注射をしても、ホルモン値が上昇するどころか下降することもありました。こんな状況で妊娠できるのでしょうか。

A:
黄体ホルモンの内服や注射を施行してもホルモン値が上昇しない、子宮内膜も厚くならない患者さんは全体の25%ほどいらっしゃいます。また、最近は黄体ホルモンによる体調不良や注射した箇所に腫脹や発赤、痛みが出る「黄体ホルモンアレルギー」という概念も出てきました。

これまではプロゲストロン(黄体ホルモン)を安定させる薬剤が原因といわれていましたが、近年はプロゲストロン自体への反応だと判明しています。この場合、黄体ホルモンは使用せず、hCGを使うか体内に元々貯留しているプロゲストロンを刺激して増加させるか、もしくは何もせず自然に任せます。プロゲストロン補充でホルモン値が上昇しても子宮内膜が厚くならない場合は、以前ご紹介した免疫機能を利用する方法もあります。

免疫機能(免疫比)が正常(8〜12)かやや高値(12〜18)であれば排卵後または胚移植日後に免疫胚着床拒絶反応を抑制するタクロリムス(プログラフ)、血行を良くして胚に栄養をもたらす血栓抑制薬のバイアスピリンを使用します。これは最先端の方法で、成功統計は出ていませんが当院では5例の妊娠に成功しています。今後はこのほかにもさまざまな治療法が開発されるでしょう。

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