子宮内膜増殖症の治療法 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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子宮内膜増殖症の治療法

 

Q:
不妊治療中で子宮内膜増殖症と診断されましたが、特に治療法はなく経過を観察するしかないそうです。本当に治療法はないのでしょうか。

A:
現時点で確定した治療法はありません。子宮内膜増殖症はタイプによって子宮体がんになりやすく、20年前は子宮を全摘するしかありませんでした。しかし現在では、増殖症は「単純性」と「複雑性」「単純異形成」「複雑異形成」に分類され、そのうち「複雑異形成」の10%が子宮体がんに発展するといわれ本格的な治療が必要です。

増殖症患者の大部分は「単純性」で軽度の場合は経過観察でも良い場合があります。しかし、増殖症が子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症と合併していて月経痛、下腹部痛、月経過多、貧血等があれば疾患別の治療が必要になります。

また、不妊治療において増殖症は着床障害を引き起こす原因といわれ、増殖症のない人と比べ妊娠率は10分の1以下、流産率は10倍以上とのデータがあります。海外の最新情報では、LIF(着床に不可欠な受精卵接着因子)が低下しているともいわれています。治療法は、昔は麻酔下で子宮内膜を全てかき取る掻爬(そうは)を行い内膜の再生を図りましたが、基底膜まで傷付き子宮内膜の一部に欠損が生じることもあります。

そのため将来、流産や早産、妊娠合併症、分娩合併症が起こりやすくなるので現在では禁忌の治療です。増殖症に侵された内膜を自然に剥離(はくり)させて新鮮な内膜を再生させるには、子宮内に装着する持続性黄体ホルモン配給装置「LNG―IUSミレーナ」がベストの治療でしょう。次回はミレーナについて分かりやすく解説します。

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