子宮内膜着床障害 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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子宮内膜着床障害

 


不妊歴3年の妻36歳、夫38歳です。年老いた両親に早く子どもを見せたくて人工授精3回、体外受精を5回実施しましたが、いつも子宮内膜が薄く着床が弱いため妊娠に至りません。子宮内膜の働きと治療法を教えてください。

A:
まず子宮内膜は月経周期の中で三段階に変化します。月経時の「はく離期」、月経終了後から排卵まで内膜を再び厚くする「増殖期」、排卵後の「分泌期」です。内膜が薄いとのことですが、厚くする増殖期は卵巣内の卵胞の発育で分泌するエストロゲン(女性ホルモン)により起こり、排卵後、卵胞は黄体に変化してプロゲステロン(妊娠維持ホルモン)を分泌しエストロゲンと共に良い子宮内膜を形成します。

妊娠すると胎盤や胎児の栄養膜になるためはく離は起こりません。以上が良好に機能している上で受精卵が「胚盤胞」まで発達してようやく着床にたどりつきます。また、胚盤胞のいわゆる接着剤になるLIF(着床因子)等も内膜に存在しないと着床は成立せず、各ホルモンのレセプター(受容体)が健全でないとLIFも分泌されません。

子宮内膜は不妊原因として比較的発見されにくいのですが、子宮筋層内筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜増殖症はホルモンレセプターが低下している可能性があり、着床障害の原因となります。治療は子宮内膜組織検査と着床期の血中ホルモン検査によりホルモン補充療法や手術、黄体ホルモン放出型子宮内避妊システムの装着などです。治療の詳細は次回のQ&Aでご紹介します。

なお、当院の年末年始の休診日についてですが、2010年12月29日~2011年1月3日が休診になります。

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