新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンは妊娠中や不妊治療に影響はありますか?③ | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンは妊娠中や不妊治療に影響はありますか?③

 

本邦では医療従事者、高齢者とCOVID-19ワクチン接種が始まりましたが、海外ではすでに一般の方にも接種が進んでおります。その中で妊娠している、または妊娠している可能性がある方へのワクチン接種のデータが蓄積してきています。

 

2020年12月14日から2021年2月28日まで、V-safeというシステムで妊婦中にCOVID-19ワクチンを接種した人のデータを収集し、またVaccine Adverse Event Reporting System(VAERS)のデータも使用して、妊娠中の人におけるmRNACovid-19ワクチンの安全性を明らかにした研究報告があります。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2104983

報告の対象者はファイザー/ビオンテックワクチンとモデルナワクチンを接種し、V-safe妊娠登録に登録された3958人、およびVAERSレポートに登録された221人です。

 

V-safeは、Covid-19ワクチン接種プログラム用に開発されたCDCによる監視システムです。対象となるのは、妊娠中または妊娠の可能性がある(最終月経の30日前から14日後まで)に予防接種を受けた18歳以上としてV-safe妊娠レジストリへの登録が任意で行われます。

 

Vaccine Adverse Event Reporting System(VAERS)とは、1990年に設立された全国的な自発的報告(受動的監視)システムであり、CDCとFDAによって管理されています。医療提供者は、Covid-19ワクチンの緊急使用許可の条件下で、入院や先天性異常を引き起こす妊娠関連の合併症など、ワクチン接種後の特定の有害事象を報告する必要があります。

2020年12月14日から2021年2月28日までの間に3958人のワクチン接種参加者が登録され、そのうち3719人(94.0%)が医療従事者であると特定されました。登録された参加者のほとんどは25〜44歳(98.8%)でした。

その内訳は、妊娠の可能性がある92人の参加者(2.3%)、妊娠初期の1132人の参加者(28.6%)、妊娠中期の1714人の参加者(43.3%)でした。

注射部位の痛みは、妊娠していない女性よりも妊娠している人の間で若干多く報告されました。頭痛、筋肉痛、悪寒、および発熱は妊娠していない女性と比較し頻度は変わりませんでした。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2104983改変

 

712人(86.1%)の出産、104人(12.6%)の自然流産(104件中96件の自然流産(92.3%)が妊娠13週前に発生)、1人(0.1%)の死産をもたらしました。

724人(12組の双胎を含む)の新生児転機は、早産(37週前に予防接種を受けた乳児の636人中60人(9.4%))、低出生体重児(724人中23人(3.2%))でした。先天性異常(724人中16人(2.2%))でした。新生児死亡は報告されていません。先天性異常を報告した参加者の中で、妊娠初期にCovid-19ワクチンを接種した人はいませんでした。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2104983改変

VAERSは、妊娠中の人のCovid-19ワクチン接種に関する221件の合併症報告があり、155例(70.1%)は非妊娠特有の有害事象を含み、66例(29.9%)は妊娠または新生児特有の有害事象を含んでいました。その内自然流産は46例(妊娠初期で37例、中期で2例、不明7例)でした。

 

妊娠中のmRNACovid-19ワクチンの安全性に関するこの米国のサーベイランスレビューは、米国の一部の妊娠中の人が妊娠のすべての時期でCovid-19のワクチン接種を選択していることを示しています

今回の調査ではある程度結果は出ましたが、矛盾している可能性がある点がいくつかあります。

妊娠している可能性がある(無月経、稀発月経)が含まれるため、V-safeプラットフォームに報告した合併症のデータには、妊娠していない人からの報告が含まれる場合があります。

また、出産後のデータは少なく、主に妊娠後期でのワクチン接種からの新生児の転帰を方臆しています。妊娠初期にワクチン接種を受けた妊娠中の人が、これまでV-safe妊娠登録に出生を記録していないため、初期接種での先天異常はまだ不明です。引き続きフォローアップが進行中です。

この研究における自然流産の割合を明確に定義するには、ワクチン接種の妊娠時期に基づいて結果を直接比較する必要があります。今後さらなる調査が進むことが望まれます。

 

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・新型コロナウイルスのワクチンと妊娠について

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・新型コロナウイルスワクチンの種類について

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・新型コロナウイルス感染と妊娠への影響について(各国情報のまとめ)

http://www.ivf-ibaraki.or.jp/20210419/4015.html

http://www.ivf-ibaraki.or.jp/20210106/3908.html

・新型コロナウイルス(COVID-19)感染メカニズムと生殖について

http://www.ivf-ibaraki.or.jp/20200516/3507.html

・妊娠中の新型コロナウイルス感染による影響について

http://www.ivf-ibaraki.or.jp/20200815/3660.html

・うがい薬と不妊についての関係

http://www.ivf-ibaraki.or.jp/20200805/3642.html

・紫外線による空気除菌での新型コロナウイルス対策について

http://www.ivf-ibaraki.or.jp/20201127/3851.html

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